ケータイデジカメ Kodak DC3800
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QV-10からデジカメに馴染み、DS-7を所有し、さらにいくつかのデジカメに触れてきて感じたことは、画質の良さや電池の保ちや動作速度も大事な要素ではあるものの、いつでも持って歩けることこそが最も大切であり、フィルム代や現像料を気にせず気軽にシャッターが切れるデジカメの能力を最大限に活かせる、ということです。
もちろんそのすべてが満たされれば言うことはないのですが、今(2000年)のところすべてを満足させるデジカメは出ていない・・・
そんな中、2000年を祝うかのようにコンパクトなデジカメが登場しました。CANON IXY Digital です。クレジットカードサイズに2メガピクセルと2倍ズームを詰め込み、ステンレスボディが高級感を漂わせる。
これだ、とすぐにでも飛びつきたかったのですが、2000年前半は何かと物入りで、資金調達ができませんでした。指をくわええているうちに品切れになり、ほどなくベストセラーにもなりましたが、その一方で画質に関しての評判はいまひとつだったようです。
そしてIXY Digitalから半年ほど遅れて登場したのが、このDC3800です。
サイズは一回り大きくなりましたが、軽くて持ちやすい形状のチタンカラーのアルミボディ、シンプルな操作性と単3型電池2本駆動、フィルムメーカーらしい色調の良さとの評判、そして何より低価格が嬉しいデジカメです。
省電力の白色LEDバックライト液晶モニターを採用し、電池持続時間も向上しているという触れ込みも心をくすぐります。
オートのみでマニュアル設定がほとんどできないことに不安を感じましたが、巷での評判を信じて買うことにしました。そもそも予算的にもこれしか選択肢がなかったですし。(^^;)
すでにCFカードとアダプタ、単3型ニッケル水素電池を持っていたので、追加投資が必要なかったため、買いやすかったこともありました。
購入後しばらく使ってみましたが、まずは噂どおりの出来に満足しています。
ISO100相当といいつつ蛍光灯下でも綺麗に撮れますし、夜景もまあまあ行けます。地下鉄の駅の時刻表などもばっちり読みとれます。
焦点距離33mm相当の広角レンズということもあり、後ずさりできない狭い室内での撮影でもOK。2.5mながらフラッシュもついているので、暗くてもOK。
フラッシュは日中シンクロ・スローシンクロにも威力を発揮します。
それより何より、特に真価を発揮するのが日中の屋外で、青い空・白い雲・木々の緑・夕焼けの赤・人の肌色、どれをとっても素晴らしい発色で撮影できます。
これがコダックの言うカラーマネジメント技術ってやつかぁ、と感心しきり。
広角寄りのため遠近感が出やすく、一歩被写体に近づいて、あるいは被写体を一歩前に出させてシャッターを切るだけで、メリハリの利いた画像に仕上がります。
設定画面もシンプルでわかりやすく、設定項目が少ないこともあって取扱説明書など必要ないくらいです。
単3型電池2本駆動ということで電池持続時間が心配されますが、ニッケル水素充電池を使い、フラッシュや液晶モニターはたまに使う程度なら、延べ1時間程度は保ってくれます。正直ここまで保つとは思いませんでした。
もちろん欠点もあります。
買う前から動作が遅いとは聞いていましたが、確かに遅い。(^^;)
しかしこれまで使ってきたのがDS-7ですから、似たようなものです。
でもやっぱり速いに越したことはないですね。被写体が子供の場合は苦労します。
白色LEDによるバックライトは省電力で持続時間に貢献する反面、日中の戸外では見づらいです。まぁこれも、従来のバックライトのほうが多少まし、という程度で所詮団栗の背比べ。光学ファインダーもあるし、よしとしましょう。
広角寄りの設計に加えてズームがないので、どうしても被写体に寄れずに苦慮することもあります。まぁ解像度を落とせばデジタル2倍ズームはありますし、それでもSVGA程度の解像度がありますから、プリント目的でなければ充分。
ズームは使わずにあとでトリミングしてもいい。2メガピクセルの底力ですね。
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ここから800×600ピクセルを
切り出したのが下の画像です。
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ここから640×480ピクセルを
切り出したのが下の画像です。
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← →
クリック
してみて
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それから、タイムスタンプを画像に埋め込む機能もあるのですが、時・分が必ず入ってしまうのも少々気になります。タイムスタンプは通常使わないので、まぁいいんですけどね。あとでレタッチしてもいいし。
ここまでは使い方である程度回避できるのですが、ひとつだけ、どうにも回避できない問題があります。それは、光源、特に点光源に弱いこと。暗いところに明るい光があると、その光が滲みやすいのです。
レンズの性能がいまひとつということもあるとは思いますが、測光方式によるところも大きいように思います。仕様では中央重点測光となっていますが、その重点度の割合は低いような気がします。広角なだけに暗部が広いと露出がそっちに引きずられやすい、と考えられます。
せめて露出補正ができたら、ある程度軽減することはできるのでしょうけど。
ぜひ、ファームウェアをバージョンアップして、露出補正だけはできるようにして欲しいものです。
■サンプル画像
クリックするとオリジナル画像を表示します。
赤文字の画像は50%に縮小したものを表示します。
最高画質1792×1184
何気なく撮りましたが、遠くの
空まで綺麗に写っています。
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最高画質1792×1184
ちょっと暗めの場所でもほどよい
ホワイトバランスで撮れます。
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最高画質1792×1184
幕張新都心。
3Kmほど離れた場所から。
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最高画質1792×1184
東京ミレナリオ2000・光の回廊
色調も解像度も要求されます。
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最高画質1792×1184
銀杏
夕暮れ時だが明るめに撮れる。
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最高画質1792×1184
バス停の時刻表
もうメモを取る必要はありません。
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最高画質1792×1184
ケーキ 蛍光灯下
イチゴの質感を堪能してください。
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最高画質1792×1184
電車と鉄橋
日中は高速シャッターが切れる。
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最高画質1792×1184
マクロ
風でちょっとぶれたかな。
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最高画質1792×1184
ケーキ ロウソクのみ
光は滲んだがイチゴさらに綺麗。
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最高画質1792×1184
交通博物館
日陰でもばっちり撮れる。
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最高画質1792×1184
新習志野・MERX
派手な色は派手なりに。
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最高画質1792×1184
マクドナルド
夜でも色調が崩れない。
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最高画質1792×1184
秋葉原
このぐらい明るいとぶれにくい。
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最高画質1792×1184
上野公園
最近登場したモニュメント。
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最高画質1792×1184
室内 マクロ
もうちょっと寄れるといいな。
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最高画質1792×1184
太陽が雲に隠れている様子が
よくわかります。
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最高画質1792×1184
ピントは手前ですがホームの
向こう側もなんとなく見えます。
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■DC3800 仕様
記録方式
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JPEG、DCF、DPOF 対応 |
記録画素数
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1,792 ×1,184、 896 ×592 |
記録媒体
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コンパクト フラッシュ |
記録コマ数
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8MB・CFカード使用時:
最高画質 1,792 ×1,184、約1/8圧縮 : 15枚
高画質 1,792 ×1,184、約1/16圧縮 : 30枚
標準画質 896 ×592、約1/8圧縮 : 60枚 |
撮像素子
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総画素数230万画素1/1.75" 原色正方画素CCD、
原色フィルター(有効画素数 210万画素) |
レンズ
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広角EKTANARレンズ 構成 7群7枚 F値 F2.8
焦点距離 33 mm(35mm換算、実焦点距離6.9mm)
TTLオートフォーカス |
撮影可能距離
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標準撮影 50cm 〜 ∞(広角/無限遠)
マクロ撮影 20cm 〜 50cm |
露出制御方式
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プログラムAE (中央部重点測光) f2.8/f8自動切換え |
露出補正
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オートのみ |
シャッタースピード
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1/2秒〜1/1000秒 |
感度
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ISO100相当 |
ホワイトバランス
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自動 |
連写
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最大4枚(0.5秒間隔、標準画質) |
セルフタイマー
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作動時間10秒 |
内蔵フラッシュ
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連動範囲 通常撮影モード時(0.5〜2.5 m)、
マクロ撮影モード時(0.2〜0.5 m)
モード 自動/強制発光/発光禁止/赤目軽減 |
ズーム
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デジタルズーム 2倍 |
モニタ
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1.5" 白色LEDバックライト低温ポリシリコンTFT
カラー液晶モニター |
光学ファインダー
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光学実像式ファインダー (視野率 約90% ) |
入出力端子
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NTSCビデオ出力、DC入力 |
電源
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単3形電池×2本(アルカリ電池、ニッケル水素蓄電池)
DC3800専用ACアダプター |
電池寿命
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サイズ
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幅95mm×高さ61mm×奥行33mm |
重量
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約165g (電池含まず) |
付属品
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単3形アルカリ乾電池(2本)、カメラケース、リストストラップ、ビデオケーブル、使用説明書・保証書他 |
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